質問
3歳児と0歳児を子育て中ですが、自分を見失いそうでイライラします。夫は頼りになりません。独身の頃が懐かしく時々涙が出ます。
回答
イライラは辛いですね。お察しします。
イライラ……漢字で書くと「苛苛」。草木から出ている「イラ……とげ」を表しています。チクチク、トゲトゲ、イライラという感じですね。
イライラしているということは、「余裕」がないから思い通りにならなくて感情が高まっている状態です。つまり自分の理想とは程遠い位置に立ってしまった自分が、神経を高ぶらせている欲求不満状態のことを「イライラ」というわけですね。
――目次――
1、子育ての悩みの中でもダントツに多い「子どもへのイライラ
2、イライラは欲求不満状態なので、まずは好きなことをする(計画する)
3、イライラの対処、例えば「子どもが自分の言うことを聞かない」場合
4、例えば「疲れている時にくっ付いてきて、何故どうしての質問ぜめ」の場合
5、イライラの対処、例えば「自分の大切なものを子どもが壊した」場合
6、イライラの対処「まず自分の感情のコントロールを上手にする」
1、子育ての悩みの中でもダントツに多い「子どもへのイライラ
御相談のように、子育ての悩みの中でもダントツに多いのは子どもへのイライラです。
古来の諺に「泣く子と地頭には勝てぬ」というのもありますから、泣いたりわがままを言ったり暴れたりする子どもに勝てる絶対的方法はありません。ですから子育ての悩みの中でもイライラはダントツに多いのです。
他人の子であれば泣いていようが叫んでいようが、育てる責任もありませんし、どのような子どもになろうと知ったことではないから開き直れます。泣き声のあるその場を離れればイライラは解除されます。そのほかの世間にあふれているイライラはわりと簡単に解決できますね。
満員電車の親父臭い臭いであれば、隣の車両に移れば解決します。そりの合わない義母であれば電話の回数を極力減らします。洗濯物を籠に入れない夫であれば、すれ違いざまにお尻の一つもたたけばイライラは解消します。
けれども子育ての悩みのイライラは逃げ出すわけには行かないところが困ったところなのです。
わが子を真剣に育てているお母さんほど、子育ての悩みであるイライラから逃げ出すことが出来ない切羽詰った気持ちになり、心は棘(トゲ)でいっぱいになります。加えて自己嫌悪も襲ってくるでしょう。
子育てのイライラは辛いです。そうかと言って自分が一所懸命育てている子どもを捨てることは出来ませんし、育児放棄をすれば逮捕です。
そこまでの気持ちなど毛頭なくても、イライラしている自分が何をしでかすか分からない、という自分自身への内面パニックも抱えている子育てのイライラの悩みは、大事にならない前に何とかして乗り越えていかなければならない課題です。
2、イライラは余裕のない欲求不満状態なので、まずは好きなことをする(計画する)
時間の余裕、心の余裕を持てばイライラの半分は解消すると思います。余裕を持たせるためには一番は好きなことをするのがいいのですが、子育て時代は時間的に余裕がないものですから、なかなかそうはいきません。ダブルパンチでイライラは倍増しています。
具体的に行動が起こせない場合は計画を立てるだけでも、
気持ちが少しは晴れますからお奨めです。自由になれる日のために、出かけられるようになる日のために温泉リストを作ったり、子どもとともに遊べる近県公園イラストマップなどを作るのも
気持ちがほぐれるでしょう。
食べログ、エステ、ホットペーパーなども、行くいかないにかかわらず、ページをめくってみれば気持ちが違ってきます。
日常の中で子育てにイライラしている時、実は目の前の子どもの行動よりも、自分自身の立てた予定が解消されずに(家計簿をつける、ベランダを掃除するなど)イライラしていることも多いようです。
お父さんが予定外のお小遣いを要求してきて、自分だってあれこれ我慢をしているのにムカツク、という場合もあります。目の前の子どものヤンチャやキィィィ~の声が引き金になって、子どもへイライラの八つ当たりをしている場合も日常の中では多くあるようです。
そういう時は子育ての今の煩雑さは永遠に続くものではないと腹をくくって、要求水準を自ら下げる必要があります。毎日つけなければ気がすまない家計簿は一週間に一度、合計額差額を確認するだけでよい、と自分に言い聞かせる。
また、祖父母、近隣、ママ友、もちろん夫、行政の子育て支援などなど周りを上手に巻き込んで、子育てのイライラを自ら少なくする手段をとることも必要です。
そして自分自身に対しては好き!というものに目を向ける。ちょっとだけ行動する。ケーキを買いに行く。化粧品、マニキュア、香料を変えてみる、自分を一日に10分でも取り戻すように、自分で時間を作る。
夫に命令をする(笑)。夜に子どもが寝たらコンビニにふらりと行く。地方であればちょっと車の運転をしてアイスクリームを買いに行く……イライラをためないことが基本です。
3、イライラの対処、例えば「子どもが自分の言うことを聞かない」場合
結果を先にいえば、子どもはいうことを聞きません。きく振りをして陰でいたずらをしたり、大人が言うことを無理やりきかせようとすると、とたんにギャーギャー動物の様に泣き叫ぶのが人間の子どもです。わがままの固まりです。
しかしよく考えてみれば、わがままを言う、する、ということは子どもにとっては大事なことのです。成長面からみたら、わがままを言わないことは知能も進歩もないということになります。
子どもは自分にとって一番都合のよい感情で日々を生きています。そしていづれかの日に自己を確立して人間になろうとして泣き叫んでいる固体なのです。
子育てになんのイライラもしない日々平和なことであれば、楽であるかもしれませんが、
「わがままが言える自己主張が出来る」、「言った事に反発できる」、「言った事の反対が分かる」、「頑固という自己が確立できる」、「めちゃめちゃあれこれ興味が有って落ち着かない」、
こんなとんでもない子どもを育てていくのだから、イライラはダントツだけれども、あらゆる方面にアンテナの出せている子どもで、将来性があるのではないか、
……そういう「良い面を持つ子が自分の子どもである」、「子育ての悩み、特にイライラは永遠に続くものではない」と、お母さんのほうで腹をくくって、当面のイライラを回避していくよりしょうがないと思います。
わがままの固まり、イライラの固まり、張り倒したくなるくらい憎らしく思えることのピークは4歳前後までです。4歳半を過ぎて5歳近くになるとあまりべたべたしてこなくなり、女の子であればシラーとした目線すら出せるように成長します。
言うことをきかせたいときは、交換条件という脅迫物を出すことはNGですが、やる気を起こさせる、人間としてお兄さんお姉さん扱いをすると、不思議と言うことをきいてきます。
駄目母さんの子どもは意外としっかりしている例が多くありますから、
イライラしたらおやつ上げないなどの脅迫ではなく、頭が痛いと仮病でソファに倒れこんで、弱い母さんをみせて、子どもの自発的な行動、誰かをかばってあげたくなる優しさを引き出すことが出来たら、イライラ解消との一石二鳥になると思います。
4、イライラの対処、例えば「疲れているときにくっ付いてきて、何故どうしての質問ぜめ」の場合
単純に「なぜ」「どうして?」をお母さんと言葉のキャッチボールで楽しんでいる時期があります。結果はどうでも良く何故の質問に大人が答えてくれるのが面白いのでしょうね。
もう少し大きくなると、「なぜ、どうして?」がほんの少し興味が出て知識として蓄積しようとします。それでも興味や感心がある瞬間だけで、すぐに違うところに行って違うことをしたり、突然踊り出したり、くっ付いてはきますが自分の興味次第で離れていきます。
五歳近くになると確信犯的に(笑)、相手が嫌がると余計にさわったりもたれたり、邪険にされることへの不安があって余計にくっ付いたりします。
何故どうして?も自分でしっかりと分かるまで訊いてきます。分からないことが不安だからです。何とか自分で納得できることにして心にしまいたい、そう思って子どもは必死で訊いてきます。
なぜ、どうして?の質問攻めは本当にイライラとしますが、ここは我慢ですね。しっかりと説明をすると、自分の理解できる範囲で納得します。
あまり多くしつこく訊いてくるようであれば、次のお誕生日が来たらもっと詳しく教えてあげるね、とかご飯が大きなどんぶりで食べられる様になったら教えてあげる、と返答するのもいいかと思います。
子どもは大人の口調を真似しますが、五歳くらいになると、「ああ、そうなんだ!」と言う様になります。
以前に教えたことは良く覚えていて引用もできますし、口先だけで、ホラ悪い子を連れに来たから言い個にしていて、という脅かしも、世の中にそんな子どもを連れて行く人はいないと、はっきりというようになります。
この頃はテレビのニュースもある程度理解できるようになり、ギャクタイとは何か、サギシって何?と訊いてきたりします。訊くばかりでなく、会話が成り立つ様になります。
子育ての悩みの中で子どもがくっ付きすぎてイライラするということはけっこう多いのですが、これもまたあっという間に成長をしてしまって、呼んでもお膝に来ないことのほうが多くなります。
ですから時間の余裕を持ってお母さんの時間の余裕があるときにこの時間ならいいよ、と先送りをしておく、子は待つ、そんな作戦もいろいろな意味で子どもの心を育てる事と思います。
その上であまりにもしつっこくくっ付いてきて、なぜ。どうして?が続くようでしたら「どうしてだと思う?」と逆に子どもに聞き返してみる作戦を取ってください。
その延長線上で「じゃ、これはどうしてだと思う?」「じゃ、空はどうして青いと思う?」、質問の優先権をお母さんが取れば、イライラは半分になり、また違った楽しい時間が過ごせると思います。
5、イライラの対処、例えば「自分の大切なものを子どもが壊した」場合
それはもう、あきらめてください。壊されるようなところに置いた大人が悪いです。
何歳からでも遅くはありませんので、大人のものはさわれるところに有っても触らない!という習慣をつけておく必要があります。
そのような習慣は「個」を大切にする気持ちへとつながります。弟のもの母のものひいては自分のものの大切さへ。さわってもいいのかは聞いてから触る。大人のものは取れるところに有っても確認してからもらう。そんな家庭のルール作りが必要です。
子どもはどの子も「興味探検物壊したいの隊長」ですから、お母さんの死角になるのを知っていてそっと携帯電話を触ったりします。目線が合うと戻すはずですので、見て見ぬふりをしたり、オッホン!と咳払いをして、見ているよ!と合図を送ることも、遊び感覚で子どもを躾けて行くことも楽しいと思います。
6、イライラの対処「まず自分の感情のコントロールを上手にする」
おっとりした人、短気な人、だらしない人、潔癖すぎる人、……丁度良い人はいませんので人はどこに分類されますね。人によってイライラを感じる度合いも対処の結末も違ってきますね。
イライラして怒ってブチ切れてしまったり、子育ての悩みのイライラなんて一時期のものだから、仕方ないやと思い平常心を保てる人もいるはずです。
子どもを産んでもすべての人が子ども好きというわけには行かないでしょう。中には子どもなど大嫌いというお母さんもいますので、イライラをコントロールできる幅にも大きな差が出てきます。
コントロールは難しいかもしれませんが、いづれにしてもイライラの対象である子育ての悩みは、子どもはすぐに大きくはなってくれませんので、自分をコントロールしていく方法も必要ではないかと思います。
前章でもお話しましたが気分転換、楽しい時間を持つ、などイライラの対象物から離れるのがストレートな回避策です。
楽しい時間を持つには誰かに預けたりしなければなりませんが、衛生状態、子どもをどう扱ってくれるのかなどの心配があっても目を潰れるという心のコントロールが必要ですね。
楽しい時間を持つために外出をするのですから誰かに頭を下げてお願いをしたり、お土産を買ってきたり行政に支払うお金であったり、家計簿をやりくりする金銭的コントロールなども必要になってきます。
また、誰にも頼まずに子どもと一緒に外出することでイライラ気分を多少なりとも解消できるのであれば、出先で必用なおやつや遊び道具や雨の用意や水分の用意なども必要で、大きなリュックを背負う覚悟も必要になります。
コントロールは心をコントロールというととても難しく病的にさえ考えてしまいますが、あれこれイライラ脱出算段をしているうちに、お母さんとしての経験年数、月数も上がってきますので、そこから編み出されている自分なりの育児の方法が定着してきます。
子どもの個性とも向き合えるようになって、兄にはこの手が有効、妹はこうしたらいい、ということも体得できてきます。
日々小さなイライラは発生するかもしれませんが、とに角、目の前にで泣き叫ぶイライラ物体に、手をあげないような乱暴をしないような、精神的虐待の一歩を出さないような環境に、お母さん自身をコントロールする必要はあります。
難しいことではありません。イライラには真正面向き合わないことです。
現実に起きているおもちゃの散乱、泣き叫び、物投げなどの子どもを多少無視して、足にすがる子どもを抱き上げてやらなくとも、数分で良いから自分の人間としての気持ちを立て直すようにベランダに出てちょっと外の空気を吸うだけでも、というコントロールをしてください。
子どもは大変だけど可愛い存在であるはずです。叱って無視して懺悔して抱きしめて、それもまたある日の育児の道筋、誰もが多かれ少なかれ通っている道なんだという気持ちのコントロールを、どうぞ宜しくお願いします。
ちなみに当サイトでも育児の悩み、イライラは多くの相談が寄せられています。
お時間がありましたら、下記のページも参考になさっていただければ幸いです。
相談2、息子のイライラに振り回される
相談4、イヤイヤ期に入ってきたようです。対処を
相談5、イヤイヤ期の子どもにイライラの連続
相談6、いたずらがすごいのです。止めるとケラケラ笑い
相談10、絵本読みが面倒です
相談14、手をつないでといわれるとイライラする。
相談16、質問攻めにうんざり
相談17、どうしたら泣き止む?