愛着関係の形成!微笑行動やアイコンタクトを受け止めて、安心関係を築く

aichakukankei keisei

ゼロ歳児の時期にしなければならない(うながさなければならない)発達があります。愛着関係の形成です。愛着とは、自分を理解してくれる特定の人に対して特別な愛情を持つもつことで、安心感の関係という言葉に置き換えることもできます。

お母さんお父さんも、大人の世界に暮らしていますが、周囲を見回すと安心できる関係のところを好んで暮らしているはずです。不幸にも安心できる関係で暮らせていない場合は、安心、安全な場所に移行しようと努力をされているのではないでしょうか。

情緒が安定して、人としていろいろなものを豊かに獲得しながらわが子が生きていかれるように、ゼロ歳児からの愛着関係の発達についてお話してみたいと思います。

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1、愛着関係が形成される時の、お母さんと子どもの身体的システムとは

赤ちゃんにきちんと向き合っていけば愛着関係は自然に形成されていくもので、努力しなければならない難しいものではありません。

身体的にはどのようなシステムになっているかというと、オキシトシンというホルモンが関係していることがわかっています。オキシトシンは女性ホルモンの一種で、母乳を促す働きがあります。

出産をして赤ちゃんが乳首を吸うとその刺激を受けて母親の脳からオキシトシンが分泌されるシステムになっています。赤ちゃん側も母乳を飲むだけではなく、十分な愛情を与えられて安心感が生まれると、オキシトシンを分泌が豊かな状態になると言われています。

豊かな分泌ではなくとも遺伝子レベルで出てくるオキシトシンもあるそうですので、逆を言えば遺伝子レベル的に少ないオキシトシンの赤ちゃんもいるはずで、人に慣れなくって、あまり笑わなくって、一人遊びばかりするからきっと愛着関係が形成されていないのだ、と心配することはなく、個性の問題として収まりそうです。

ただ、愛着関係が形成されて行く時期は、両親や兄弟に慈しまれて大切に育てられていってこそ形成されるもので、この時期に虐待を受けたり育児放棄の扱いを受けたりすると、愛着関係が形成されない子どもになってしまいますので、注意が必要です。

1、愛着関係の形成!というと難しそうですが、赤ちゃんを慈しめば発達します


当然のことながら、赤ちゃんの身体や心の発達は未熟ですから、周囲がきちんと対応して育てていかなければなりませんね。

子どもも親も十人十色、環境もいろいろで、子育てそのものにもこれが絶対正しいという方法はありませんので、臨機応変に試行錯誤しながら子育てをして行くわけですが、オーバーに言えば命がけで必死に育てて行く覚悟は必要となってきます。

子育ての中で、愛着関係の発達も字にすると難しそうですが難しいものではありません。必死の命がけはともかくとして、赤ちゃんにきちんと向き合って慈しみ続けていけば、自然に形成されていくものです。

生後6~8ヶ月ころまでに形作られていきますが、お母さんや周囲とどのように係わることができたら、望ましい愛着関係が発達して行くのか、月齢順に追ってみることにします。

2、新生児の頃~3ケ月児頃の愛着関係


ゼロ歳児の生まれたての赤ちゃんの目は、明暗などはわかりますが、視力で言えば0.01くらいでしょうか。像を結ぶ焦点がまだ定まっていませんので目的もなく眼球を動かしているばかりです。百面相!などと言われて、周囲のものが赤ちゃんの顔を見ているだけで楽しくなるような時期ですね。

色彩も白黒の識別ですのでモノトーンの中で暮らしている感じです。この頃はお母さんと目が合うことはなく、目ではなく額の辺りを見つめています。モノトーン世界に住んでいる赤ちゃんとしては、額と髪の生え際の色の違いが目に付くからなのですね。

モノトーンの中ではありますが、そして手も足も上手に動かせない赤ちゃんではありますが、お母さんのおっぱいの匂いや温かい肌に触れて安心しています。感覚的な愛着関係が始まっています。

優しい声が耳元から聞こえてきます。お腹がすいたと泣くと授乳をしてもらい、怖い音がしたと泣くと抱きしめてもらい、赤ちゃんは安心します。このようなお世話をするのは主にお母さんですから、お母さんとの間に愛着関係が生じてきますね。

「自分の要求を受け止めてくれる、理解してくれる、この人がいると安心できる、この人が大好き」という認識を特定の人に持つ情愛が、新生児期から既に芽生えます。

生後2~3ケ月くらいになると両目を連動して視力をあわせることが出来るようになります。不安感があって泣くと抱いてくれるお母さんをジーと見る事ができて、不安を解消してくれた人は誰なのかを識別していきます。

赤ちゃんは泣けば大人がその要求にこたえてくれる体験を積んでいきます。そして、いろいろな泣き声で意志をお母さんに伝達しようとします。

泣くとお母さんや周囲の大人が近づいてくることも学習します。笑いかけてくれる笑顔に笑いかけて返すとさらに笑ってくれて、あやしてくれて、さらに楽しい気分になることも学習していきます(微笑行動といいます)。

自分に笑いかけて楽しい気持ち、安心な気持ちにさせてくれる周囲のお母さんや、おばあちゃんやお父さんなどを特定の人と認識して愛着関係がますます深まっていきます。

大きくなって人として学校や社会の枠の中で生きていくときに必要な、笑い合ったり相手の目を見てコンタクトを取ったり、泣いたりという基本的なことを生後3か月の間に取得していくことになりますので、愛着関係の発達がいかに大切なことかということが解りますね。

※注
発達がゆったりしているという個性の場合もありますが、微笑行動やアイコンタクトがとれない赤ちゃんはちょっと気になります。要求したい時の泣き方が異常であり、微笑行動は一人笑いとなります。

目も合わせづらく、合わせようとするとそらします。愛着関係を求める気持ちが薄く、束縛感のある抱っこも嫌います。

アイコンタクトの不成立と抱っこ嫌いは、自閉症の特徴でもありますが、正確な診断はもっと大きくなってからでないとわかりません。

多少の抱っこ嫌い、アイコンタクトの力が弱いなどの赤ちゃんには、愛着関係が持てるような積極的な行動をお母さんお父さんが取っておいた方がよいかなと思います。

3、生後4~5ヶ月頃の愛着関係


生後4~5ヶ月頃になると追視もできるようになり、気になる物を目で追いかけられるようになります。色の認識は「赤」が最初と言われています。物の奥行きも少しずつ分かるようになり、目と手が連動して発達するようにもなりますので、欲しいものがあると手を出せるようになります。

赤ちゃんは泣いたり、笑ったり、アイコンタクトをしたりして周囲の人に働きかけて自分の欲求を満たそうとします。

もっともたくさん応えてくれた心地よい人、それが愛着の対象者となりますね。愛着が形成されてくるとその傾向は日々強くなりアイコンタクトや微笑行動だけでは済まなくなります。

抱っこを求め、赤ちゃんの前から消えれば泣き、居なくなれば探し、そして後追い期に入っていきます。

4、生後6~8ヶ月頃の愛着関係


大人とのかかわりを通して赤ちゃんの心もこの頃にはかなり発達をしています。愛着の形成は大体生後6~8ヶ月頃に完成します。

愛着がしっかりと形成されたかどうかの判断は簡単です。人見知りの行動が始まったかどうかです。人見知りが始まれば愛着が形成されたとみて良いでしょう。

知らない人が寄ってきたり、知らない人に抱っこされてしまった時は激しく泣きます。そうして、ほらほら!とお母さんが引き取って抱っこをするとピタリと泣きやみます。お母さんが安心の拠り所(愛着)としてしっかりと形成されているという証拠ですね。

お父さんがひがんでしまうほど、この愛着関係は強く、そして年々強固な結びつきとなります。

生後6~8ヶ月頃の赤ちゃんの視力は0.1程になっていて、ハイハイやお座りもできるようになり視界の範囲もこれまでとは違った世界になってきます。愛着関係をしっかりと築いてきた赤ちゃんは、ハイハイで探索行動に出ても不安なく遊ぶ事ができ、困ったことがあるとまっしぐらに母親という母港に帰って来る事ができます。

5、愛着関係がしっかり結ばれた赤ちゃんは、他人を認識して受け入れられる


愛着関係の発達はもう一つ大きな人間的発達をもたらします。それは特定の人との信頼関係を築くことができた自信と体験とで、不安なく他者を受け入れていくことができることです。

身体の発達に応じて行動が広がり、広がった行動先の人々とも順調に対人関係を築いていくことができます。月齢によっては失敗などを繰り返しますが、愛着関係のあるところに戻り、心を癒し安心感を蓄えて、また外の世界に踏み出すことを繰り返すことができます。

6、愛着関係が希薄であったら……新生児期にさかのぼる気持ちで対応を!


例えば、庇護してもらわなければならない時期に(愛着関係を育てなければならない生後半年くらいの間に)、周囲の大人との関係が無かった赤ちゃんがいますね。虐待を受けたり、お母さんが育児放棄をしている場合など愛着が形成されにくに赤ちゃんとなってしまいます。

また重要な事態の環境でなくとも、遺伝的にオキシトシンの分泌が少なくって、自分表現能力が低く、泣かなくて大人しい赤ちゃんなどは対人関係が希薄になりがちです。眠りがすごく長い赤ちゃんなども構ってもらえる機会が減りますので愛着関係を育てる機会も少なくなるということが言えます。

愛着が形成されにくい赤ちゃんには特色があります。

アイコンタクトが成立していませんので、目を合せようとしても合わないか、合っても一瞬のことで目をそらしてしまいます。他者とあまりかかわることを必要としないので一人遊びを長く続けます。

人見知りをしませんので、一人勝手に行動をしてしまいます。愛着形成がされていない分、お母さんと離れても不安感がありませんので、泣いたりもしません。病気が隠れている場合もありますから、観察を怠らずに、扱いやすいとだけ思って隠れている病気が無いかを見逃さないでほしいと思います。

大人との相互作用や、お母さんとの愛着関係が築けなかっただけの場合は、育てなおしをすると情緒が発達してきます。アイコンタクトや抱っこをいっぱい繰り返して日常を過ごせば、情緒の発達がうながされて微笑行動も出てくる可能性もあります。

また、お気の毒な生育歴になってしまう「虐待」や「育児放棄」を赤ちゃん時代に経験した子でも、その後の人生が全く駄目なのかというとそのようなことはありません。「適切な養育」を受ければ、思春期に問題はおきないとされています。

子どもの頃に愛情を受け取りそこねて、愛着関係の形成がならなかった、あるいは薄かったとしても、誰かから愛される経験をすれば、誰かを愛する経験をすればオキシトシンの分泌が盛んになり、愛着を形成することができるものです。

人はそんなに弱くない!
元気に子育てしていただきたいと思います。

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